「NHKスペシャルうつ病治療常識が変わる」という本を読みました。
これにはうつ病治療の現場の状況や患者さんの声などが書いてあります。
NHKスペシャルで放送できなかったことなども書いてありますので、とても面白いです。
その内容を少し書いてい行きますのでお付き合い下さい。
うつ病の方にとってはとても役に立つ本だと思います。
うつ病治療の多剤療法の弊害
まず初めに触れられているのは抗うつ剤の弊害です。
うつ病と診断された人に症状が良くならなければ薬の量も種類も増やすという「多剤療法」によって大量の薬が出されていることを指摘しています。
この「多剤療法」がうつ病の治療を長期気化させてしまっていると言っています。
この「多剤療法」というのは日本独特の考え方だそうで、多剤率は世界でも突出しているそうです。
短すぎる診療時間の弊害
それに逆比例して診療時間の短さが指摘されています。
話を聞いてもらえると思って行ったのに、ちょっと話を聞いただけで大量の薬を渡されて帰されている光景が浮かんできます。
なぜ診療時間が短いかというと診療報酬制度に原因があるようです。
現在の精神科による診療点数は「5分以上30分以内」と「30分以上に」に分かれていますが、5分でも30分以上でも300円か100円しか違わないそうです。
そうなれば経営の為には、短い診療時間で大量に薬を出して回転率を上げたほうが得、ということになってしまうでしょう。
診断マニュアルの弊害
またうつ病治療を長期化させている原因の中に、合理主義のアメリカで作られた簡単な診断マニュアルの存在があるようです。
このマニュアルは9つの質問があって、5つ以上イエスがあれば他は何も考慮しなくて、単純にうつ病と判定されてしまうそうです。
生活環境や生い立ち、その人の性格や気質などは一切考慮されていないため、大きな問題があると指摘されています。
しかし、現在医療の現場ではこのメモをポケットに忍ばせて診断が行なわれているようです。
しかしこのマニュアルには、はっきりと「これを見て簡単に診断が可能だと思ってはいけない」と書いてあるそうです。
しかし特にマニュアル好きの真面目な若い医師の間では、現実に結構使われているとmpこと。
金儲け主義だけではなく、真面目な医師のこのような弊害もあるのですね。
さらに次回につづきます。
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