風邪とは
医学的に風邪という病名はありません。私達が一般的に風邪と言っているのは「上気道(鼻・咽頭・喉頭)の急性炎症の呈する疾患の総称」のことを言っています。
つまり「風邪」は独立した病気ではなく、鼻から気管支にいたる気道粘膜の感染性あるいは非感染性の急性炎症の、いくつかの組み合わせの総称ということです。
厳密に言うと急性鼻炎・急性喉頭炎などの病名となるのですが、それらの症状が同時に現われるということで、風邪症候群と呼んでいるようです。
原因はウィルスでその種類は200種類以上と言われています。
そのウィルスの種類によって症状も違って現れ、鼻水・鼻づまり・喉の痛み・咳・発熱・頭痛・全身倦怠感などはその代表的なものです。
西洋医学的にはこのような症状の場合、その症状にあわせてその症状を止めるような薬が処方されるのが常です。
たとえば、熱があるときには解熱剤、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりには抗ヒスタミン剤、咳には咳止めの薬などです。
この考え方は風邪は「万病の元」とも言われ、病気であるから早めに治さなければいけないという考え方です。
しかし、はたして風邪は本当に病気の一種で、早めに退治しなければいけないものなのでしょうか。
風邪のもう一つの考え方
風邪は人間にとって、とても大事なものであり必要なものと言う考え方もできます。
どうなったら風邪をひく?
風邪の原因はウィルスと言うことで、ウィルスに感染さえしなければかぜは引かないと思われるかもしれませんが、全ての人がウィルスに感染したら風邪をひくわけではありません。
・体の左右の体温差があったり
・身体の中に毒素が溜まっていたり、
・酸性体質に傾いていたり
身体がこのような状態の時に、ウィルスに感染して風邪をひいてしまうと考えられます。
そうだとしたら、そのような身体の状態で、もしかぜを引かずに突っ走っていたら、手遅れになるような重病になってしまう可能性があったということになります。
そうならないように身体に黄色信号を送っているのが、風邪を引くことだとしたら・・・
風邪をひくことに感謝
病気だからと言って退治しなければいけないのではなく、むしろ感謝して大切に扱わなければならないものとなってきます。
症状を止めてしまう行為は本末転倒の治療になってしまいます。
せっかく毒素を出して元の健康な身体に戻ろうとしているのに、その作業を止められてしまっては、病巣は身体の中に納まったままです。
またいつか毒素を出そうとしてかぜを引くか、そのまま溜め込んで一挙に重病になってしまうか、どちらにしても身体にとって良いことは何もありません。
風邪が薬
このような考え方からすると、西洋医学的な薬での対処療法が的を得ているとは、とても思えないのです。
かぜの諸症状こそが身体の不調を治すための薬だったということになります。
「風邪を治す薬を開発したらノーベル賞ものだ!」と、よく言われたものです。
しかし風邪自体が身体にとって必要であり、薬の作用を果たしているのだとしたら、風邪を治す薬という発想自体がそもそもおかしな話となるのです。
風邪の薬という発想ではなく、風邪をひくことが身体にとっての薬なのです。
風邪をひいた時の対処法
そうは言っても風邪の症状はつらいものです。誰もが早く何とかしたいと思うものです。
そのためには、強力な風邪薬でその症状を止めてしまうのが西洋医学的な考え方ですが、それは風邪の本質から言って、的を得た方法ではない・・・と言ってきました。
ではどうやって対処するのかと言いますと、鼻水やくしゃみも、咳や熱も基本的には放っておくことが一番です。
しかしそれだけでは何の解決法にもなりませんので、もう少し詳しく言いますと、せっかく毒出しをしてくれているのですから、それを助けてやると言うことです。
身体を温めてあげましょう
風邪は英語で「cold」とも書きますが、とにかく身体が冷えているためにかぜをひいている可能性があります。
身体を暖めようとして体内から水分を外に出すために、鼻水を出したり下痢をしたりしているとも考えられるのです。
身体を暖めることを自ら手伝ってあげましょう。
日本では良く玉子酒を飲んだりしますが、身体を中から温めようとする方法で、すごく理にかなっていると思います。
海外でもホットウィスキーやホットワインを飲む習慣もあるようです。
これらは皆身体を暖めようとする行為で、昔の人達は分かっていたのかもしれませんね。
外部から暖める方法としては布団をいつもより多めに着る、湯たんぽを使う、足浴や半身浴をするなどの方法がありますが、この場合汗をかきますので汗をきちんとふいて、下着を着替えることも大事になってきます。
ただ汗をかくということは体力を使いますので、体力のない方は体力を消耗しないように、自分の体力と相談しながら行う必要があります。
弱っている場合は控えた方がいいかもしれません。
身体の要求を聞いて毒出しを手伝ってあげましょう
またこういう場合は食欲もなくなりますが、体温を中から暖めるために胃腸であまり血液を使わないようにという、身体の自然な作用と考えられます。
無理にでも栄養をとってウィルスをやっつけなければいけないと思わず、食べないことがより身体を暖めることにもなりますので、身体のサインに耳を傾けて、食べたくないのなら無理をして食べないようにしましょう。
また、たとえ熱が出ても本人が耐えられない場合は仕方がありませんが、できるなら40度位までは解熱剤などを使わずに、熱を出してあげた方が早めに治まる可能性があります。
実際ホメオパシーでは高熱が出た場合、その物を食すれば高熱が出るようなものを希釈したレメディをとることで、高熱を鎮めようとします。
咳や痰なども同じように毒出しをしているわけですから、これも止めることなく素直に出してあげることが早めに治まる方法だと思います。
どうしても仕事などでその症状があったら困る時以外は、なるべく毒素を出す手助けをしてあげてほしいと思います。
風邪の予防法
これまでの内容から考えて、かぜを引かないようにするにはどうすればいいか、ということはある程度お分かりかと思います。
毒素を溜めない
まず身体に毒素を溜めないことです。
毒素と言うのは自然環境、生活環境、食生活、ストレス等から発生するものですが、数え上げたらきりがないほど一杯あります。
自然環境からはまず基本的な空気です。
都会では田舎ほどきれいな空気を吸えないこともあり、難しい面もあるかもしれませんが、たまには遠出してきれいな空気を吸うのも良いかもしれませんね。
生活環境では洗剤やシャンプーなどの経皮毒、薬、電化製品から出る電磁波など、食生活では残留農薬・食品添加物など、ストレスでは職場・家庭内による人間関係などが考えられます。
これらを全てゼロにするには難しい世の中になってきており実践するには相当な困難を要します。
しかしゼロには出来ないまでも、このようなことが関係していることを分かって色々なものに対処するのと、何も分からずにテレビやマスコミの宣伝に踊らされるだけなのとは全然違います。
常日頃からこのようなことを少しでも考えながら生活してみましょう。
身体を冷やさない
次に身体を冷やさないようにすることです。
身体を冷やさないようにする方法としては「自然治癒力を高める11の方法を詳しく解説」にも載せていますが、まず身体を冷やさないような服を着ましょう。
へそ出し等の肌を露出した服装や、下半身を冷やすような服装は避けたほうが無難です。
以前女子高生の間で流行っていたルーズソックスなどは、健康面からみても納得できるものでした。
冬は絹製の5本指靴下の上に靴下を重ね履きする方法や足首ウォーマー、レッグウォーマーなどはお勧めです。
お風呂はシャワーで済ますことがないようにきちんと湯船に入りましょう。
また全身浴ではなく、半身浴の方が身体の外側だけでなく芯から暖まってきますのでさらにお勧めです。
半身浴はぬるめのお湯(38~40度位)にへそから下を30分前後お湯につかる方法です。
体力がない方は足だけを暖める足浴という方法もあります。
最近はお湯を使わずに、スチームでできるものもありますので、水を捨てたりするのが面倒な方はそちらをお勧めします。
いずれも個人差はありますが1~3ヶ月ぐらいで、体温が上昇してきますのでぜひ試してみてください。
食べ物ですが、身体を冷やすものをなるべく食べないように、控えるようにしましょう。
身体を冷やすものとは暑い時に食べる食べ物や南方で取れる食べ物などで、漢方医学で言う陰性の食べ物のことです。
これも同じように詳しくは「自然治癒力を高める11の方法を詳しく解説」をご覧ください。
冬にアイスを食べたり、冷えたビールを飲み過ぎたりするのはもっての外です。
食べすぎも身体を冷やしてしまいますので注意しましょう。
後は下半身の筋肉を強化することです。
足は第2の心臓と呼ばれています。
心臓から足まで降りた血液を再び心臓まで上げるためには足の筋肉の助けが必要です。
筋肉が衰えてくるとうまく循環してくれなくなってきます。
また夏の冷房を控えるようにしましょう。
最近の冷えは夏に作られているといっても過言ではないと言われている位です。
免疫力を上げる
とにかく毒素を溜めないような努力をして身体を温めてあげれば、本来の自然治癒力も増し、免疫力も上がってきますので、風邪を引きにくい身体になってきます。
自然治癒力を上げて免疫力をアップさせる方法については上記の「自然治癒力を高める11の方法を詳しく解説」をクリックしてご覧ください。
しかし、たまには上手にかぜをひいて毒素を出してやることも、大切なことですのでこちらもお忘れなく。
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