健康にとって大切な「眠」(睡眠)

「眠」とは睡眠の事です。

人生の1/3は眠っていると言われます。

人生100年としたら30年間は眠っているということです。

ちなみに仕事をしている年数は、60歳定年としたらわずか10年ほどしかないそうです。

この人生30年間の睡眠が健康にとってとても大切になってきます。

 

「国民健康・栄養調査」による睡眠の現状

令和元年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、男性の37.5%、女性の40.6%の睡眠時間は6時間未満。また、「睡眠全体の質に満足できなかった」人の割合は男性 21.6%、女性22.0%。
「日中、眠気を感じた」人も男性32.3%、女性36.9%と、睡眠に不満を持つ人が多い現状が明らかになっています。

睡眠確保の妨げとなる理由として、20代では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」、30~40代男性では「仕事」、30代女性では「育児」と回答した人の割合が高く、睡眠は各年代におけるライフスタイルの影響を強く受けており、睡眠問題の改善が一筋縄ではいかない背景が見えてきます。

 

そもそも睡眠はなぜ必要なのか

睡眠が必要な理由は睡眠そのものに

・記憶の整理
・脳や身体の疲れをとる
・体の成長を促し、傷ついた細胞を修復する

という大切な役割があるからです。
 

眠っている間に心身疲労が修復される

睡眠にはサイクルがあり、大脳を休める”ノンレム睡眠”と夢を見る浅い睡眠の”レム睡眠”が約90分周期で繰り返されているようです。

また、さらにノンレム睡眠の中にも非常に深い眠りと比較的浅い眠りがあり、特に深いノンレム睡眠時は脳の疲労が回復されるとともに、筋肉や骨を発達させたり傷の修復を促したりする成長ホルモンがさかんに分泌されています。

睡眠は私たちの心身の健康を支える大切な仕組みですが、現代人はついつい睡眠をおろそかにしがちです。

睡眠は我慢すれば削れるものですが、生命活動において睡眠が不要なら、進化の過程でなくなるか、もっと短くなったはずです。

人間には、寝なければいけない理由がしっかりあるのです。

 

睡眠不足(寝不足)の心身の及ぼす悪影響

寝不足

免疫力に悪影響をもたらす

睡眠不足は免疫力に影響を及ぼします。

平均的な睡眠時間が7時間未満の場合、睡眠時間が8時間以上の人と比べ約3倍も風邪の発症率が上がるというデータがあります。

睡眠時間が短いと風邪にかかりやすく、風邪をこじらせて肺炎になるリスクも、睡眠時間が5時間未満の人は8時間睡眠の人に比べて1.4倍という報告があります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染リスクにも影響するという研究もあり、ワクチンの効力にも影響を及ぼすようです。

実際、インフルエンザワクチン接種後の抗体産生量を比較した研究では、睡眠時間が4時間の人は、8時間の人に比べて作られた抗体量が半分以下だった、という報告もあります。

睡眠時には、免疫機能を高めるいくつかのサイトカインの分泌が促進されます。

風邪を引いたときや病気に罹ったときにもこれらのサイトカインが分泌されますが、その理由は「睡眠によって病気の回復を早めるためなのです」

睡眠障害は様々な病気のリスクになる

睡眠不足や睡眠の乱れは、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病やうつ、認知症など、様々な病気のリスクになると考えられています。

例えば睡眠時間が7~8時間だと、肥満、高血圧、脂質異常症リスクが低くなり、睡眠が短くなるほどこれらの病気のリスクが高まるという報告があります。

また、睡眠を7~8時間とっている人と比較すると、5時間未満の睡眠の人は糖尿病リスクが2.5倍という報告もあります。

睡眠不足と肥満や生活習慣病の一因には、食欲を司るホルモンの乱れが関わると考えられます。

睡眠時間が短くなるほど、食欲を抑制し満腹感をもたらすレプチンというホルモンの分泌が減少する一方、食欲を高めるグレリンというホルモンが増えます。

その結果、必要以上に食べてしまい、肥満になりやすく、生活習慣病のリスクも高まるということです。

うつについては、日本の12~18歳の学生15,637人を対象にした調査によると、睡眠時間とうつ・不安との関係を調べたところ、睡眠時間8時間±30分を基準としたとき、睡眠時間が5時間程度の中学生はその後のうつ発生リスクが3倍以上となったという報告があります。

 

睡眠に必要な「量」・「質」・「リズム・タイミング」とは

「良い睡眠」とはどのようなものをいうのでしょう。

医学的、生物学的に見ると、睡眠には3つの条件がそろうことが必要だそうです。

その条件とは、
条件① 十分な睡眠時間(量)
条件② 安定した眠り(質)
条件③ 規則正しい睡眠(リズムまたはタイミング)

いずれか一つでも欠ければ睡眠は乱れ、健康に影響が出てきます。
 

条件① 十分な睡眠時間(量)

十分な睡眠時間がとれているかどうか、睡眠の”量”は、最も大事な条件です。

「推奨される睡眠時間は年齢ごとに異なりますが、就学・労働世代の15~65歳では8時間前後の睡眠時間が理想とされています。

年齢別に表した場合、以下の表を参考にしてみてください(NHKの資料より)

 

 条件② 安定した眠り(質)

良い睡眠のためには、睡眠の”質”も重要です。

寝付きが悪い、夜中にたびたび目が覚めるといった「不眠」や、寝ている間に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」、寝ているときに脚に不快感が生じる「むずむず脚症候群」といった病気が潜んでいると睡眠の質は低下します。
 

条件③ 規則正しい睡眠(リズムまたはタイミング)

人間の体には体温やホルモンの分泌、自律神経の働きを変動させて休息モードと活動モードを切り替え、体のリズムを作るシステムが備わっています。

それを司るのが体内時計です。ところがこの体内時計は放っておくと約24時間より少しだけ長いサイクルを刻むため、1日のサイクルとのずれが生じてしまいます。

このずれをリセットするのが、朝の光です。

しかし、夜更かしなどで起床時間が遅くなってリセットのタイミングがずれると、睡眠と覚醒のリズムが乱れる「概日リズム睡眠障害」を起こします。

また、ソーシャル・ジェットラグ(週末に平日より長く寝てしまうことで睡眠のリズムが後ろにずれ、あたかも海外旅行のときの時差ぼけのような状態になること)も現在問題になっています。

ソーシャル・ジェットラグでは体内時計がずれる為、翌週前半の眠気や疲労感が強くなってしまいます。

なるべくリズムを乱さないような生活を心がけましょう。

単なる不眠と不眠症について

単なる不眠

子供の頃、遠足や修学旅行の前日などになかなか寝付けないということがあります。翌日の事を考えると楽しすぎて、興奮して眠れないのでしょう。

また、悩み事や心配事がある時はなかなか寝付けないことがあります。

ある程度の年齢(高齢者)になると、なかなか寝付けない、寝てもすぐ覚める・夜中何度も目が覚める・・・等の症状が出てきます。

私はこのような症状は一過性のものか老化なので、「単なる不眠」であって薬で改善するべきではないと思っています。
 

不眠症とは

それでは不眠症と診断されるということはどのような症状なのでしょうか?

・長期間にわたる夜間の不眠
・夜間だけでなく日中にも心身の不調を自覚し、生活の質が低下する

このような症状が認められたとき、病院では「不眠症」と診断されるようです。

しかし、その定義はとてもあいまいだと言われています。

 

病院による一般的な不眠症治療

眠れないということで病院に行けば、普通に睡眠薬を処方されるようです。

上記で述べたように「単なる不眠」にも、「不眠症」にも同じように薬が処方されているとのこと。

私の母親もただの老化現象による不眠と思われましたが、毎日睡眠薬を飲んでいました。

反対すると、「年寄りは誰でも飲みよる!」とけんかになったものです。

それほど多くのお年寄りが単なる老化による不眠だと思われるのに、眠れないということで病院から睡眠薬を処方されているということです。

 

整体師が考える不眠症の真の原因

不眠症には「入眠困難」「中途覚醒」「早朝覚醒」など様々ありますが、根本的な原因は一つと考えています。

様々な睡眠障害のサイトを見ると、色々な原因が書かれています。

・精神的なもの
・環境的なもの
・他の病気の影響
・薬の飲みすぎ・・・など

なぜこのようなことが原因になるのでしょうか?

それはこのようなことが自律神経のバランス」を、乱してしまうからです。

通常昼間は「交感神経」が優位になり、作業効率を上げるように働きます。

夕方ごろからは逆に「副交感神経」が優位になり始め、夜にはリラックスして眠たくなってきます。

しかし、肉体的なことや精神的なストレスがあると、「交感神経」をが緊張して夜になっても身体がリラックス状態にならず、眠れなくなってしまいます。

ここからが本題ですが、

なぜ「交感神経」の緊張が抜けないのでしょうか?

それは
筋肉が緊張しているからです。」

この筋肉の緊張(コリ)が最大の原因だと考えています。

筋肉の緊張が緩んできて身体がリラックスし、副交感神経が優位になれば眠れるようになるはずです。

その後、筋肉が緊張するようになった原因である、肉体的・精神的・環境的なストレスを取り除いていかなければなりません。

この問題を放置すると、また眠れなくなってしまいますので、最終的にはこの段階まで改善する必要があります。

 

交感神経緊張の原因

交感神経が緊張することで、筋肉が硬直してしまい、今度は筋肉が硬直することで交感神経の緊張が解けなくなってしまいます。

交感神経の緊張の原因と解けない理由を、もう少し細かく見ていきます。
 

肉体的な原因

最近は残業規制みたいなものがあって、大分見せかけの労働時間は減っているようです。

しかし、残業はするな!と言いながら、仕事量は全く減っていないとよくお客様に聞きます。

その分を家に持ち帰ったり、休日に仕事をしたりして肉体的にへとへとになっている人がいます。

このような人たちは交感神経過多の仕事をしてしまい、肉体疲労によって筋肉が緊張しています。
 

精神的な原因

仕事上の悩みや、人間関係・家族関係のトラブル・金銭にまつわること・・・等

このようなことが長期的にストレスになることで、交感神経が常に緊張していて、首・肩を中心に筋肉が緊張しています。
 

環境的(社会環境・生活環境など)な原因

現在は夜になっても電気のおかげで作業ができます。

テレビやインターネット・ゲームなどが普及して、ついつい夜型の生活になってしまいました。

寝る直前までスマホを見ていたりすることも多いのではないでしょうか。

同じ姿勢や夜になっても交感神経が興奮させていると、筋肉が緊張してしまいます。

また隣人トラブルに悩まされていたり、住居の騒音や鳥のフンの被害などで悩まされていると、交感神経が緊張してしまいます。
 

他の病気の影響

病気のそもそもの原因は、身体の歪みや筋肉のコリを放置していた結果、血流や神経・リンパ管などが圧迫され、徐々に病体化していったと考えています。

いきなり病気になったのではなく、筋肉の緊張を放置していた結果として病気になったと・・・

「生活習慣病」と呼ばれるような病気はほとんどが交感神経過多の病気です。

当然いろいろな箇所の筋肉がこっています。
 

薬の飲みすぎ

薬の飲みすぎは交感神経を緊張させ、筋肉を緊張させてしまいます。

昔の「良薬は口に苦し」ということわざがありますが、これは苦みが副交感を刺激するため、交感神経過多の状況を改善し病気を治すということです。

残念ながら現在の西洋薬にはその効果はないと考えられます。

大量に薬を飲んでいる方は施術をしても、なかなか筋肉が緩みません。
 

その他

ジオパシックストレスや、スピン偏極・霊障・薬害・経皮毒・食品添加物・残留農薬など、様々な物質が作用して筋肉が緊張している人がいます。

 

自分でできる不眠改善法

静かに目を閉じて「寝てはいけない!」と唱える

この方法は副交感神経を誘導する方法です。

寝なければいけない!と考えると交感神経が発動して逆に眠れなくなってしまいます。

自律神経は天邪鬼です。

何かをうまくやらなければいけないと思い込んでしまうと、思えば思うほど交感神経が緊張して筋肉に余計な力が入り失敗するものです。(経験がある人も多いと思います)

これを逆利用します。

眠ったらいけないと思うことで逆に力が抜け、副交感神経が出てきて眠たくなってきます。
 

腹式呼吸法を行う

腹式呼吸(タオルは敷かなくて大丈夫です)

仰向けに寝る姿勢で目を閉じ、腹式呼吸を行うことで副交感神経を誘導します。

一気に吸ってお腹を膨らませ、ゆっくり時間をかけてお腹をへこませながら吐いていきます。(ひざを曲げながら行う方がやりやすいかもしれません)

吸う時間よりも吐く時間を長くすることで副交感神経を誘導します。(呼気が副交感刺激)

1分間に3呼吸ぐらいまでできれば最高です。(3秒吸って17秒で吐く)

自律訓練法を行う

仰向けに寝て、以下の言葉を心の中で唱えながら行います

・背景公式「気持ちが落ち着いている」
・第1公式 安静練習「両手両足が重たい」
・第2公式 温感練習「両手両足が温かい」
・第3公式 心臓調整練習「心臓が自然に静かに規則正しく打っている」
・第4公式 呼吸調整練習「自然に楽に息をしている」
・第5公式 腹部温感練習「お腹が温かい」
・第6公式 額部涼感練習「額が気持ちよく涼しい」

最後の消去動作をやらないで終えます
 

自律訓練法をやってはいけない人

次の疾患を持つ方は、自律訓練法は禁忌とされています。

・心筋梗塞
・糖尿病
・低血糖症
・迫害妄想や誇大妄想の症状がある精神病

 

足の背屈を30回ほど行う

仰向けに寝て足の背屈を行います。

足元が温かくなることで副交感神経が誘導され眠りやすくなります。
 

米軍式睡眠法を行う

<やり方>

1.布団の中に入り仰向けになり、手のひらを上、足を少し開き、目を閉じます。

2.手足を丸め、一度ギューッと全身に力を入れながら息を吐きます。(全身=顔、肩、腕、指先、お腹、足の付け根、もも、足首、足先すべて)大きく息を吸いながら全身の力を解き、吐く息とともに更に力をゆるめていきます。

3.一度自然な呼吸に戻し、顔の筋肉に意識を向けます。一呼吸吐く度に、眉間、こめかみ、眼球の力、口元の力、首の力を抜いていきます。

4.首⇒肩⇒ひじ⇒手首⇒指先の順に呼吸に合わせゆっくりと力を抜いていきます。
(うまく抜けない場合は、一度ぎゅっと力を入れてから抜くと上手に力が抜けます)
一呼吸したら、次は肩甲骨⇒腰⇒脚の付け根と力を抜き…骨盤を緩め、ひざ⇒足首⇒足先と力を抜いていきます。

5.全身の力を抜いたら、自分が高く澄んだ空の下、自分の身体が水の上にふわっと浮いて、身体から生えた根を地面に下ろすようなイメージをしてリラックスします。
息を吐く度に全身の力を地に沈めていきます。

※この方法は整体的に言えば自己整体をして、全身の筋肉の緊張をほぐしているということです。基本的に筋肉の緊張がほぐれれば眠れるようになってきます。

 

一瞬全身を緊張させて一気に力を抜く(呼気で行う)

上記の米軍式睡眠法とほぼ考え方は同じですが、足のかかとと首・肘をベッド(布団)に付け、身体を浮かしながら全身力を入れて緊張させた後、一気に力を抜いて筋肉を弛緩させます。

この一連の動作を全て呼気で行います。(吸ってしまったら立ち上がってやり直し)

吐きながら身体を硬直させ、一気に力を抜いた後息を吸うということです。

 

睡眠グッズは必要でしょうか?


過度に睡眠グッズに頼るのはあまり賛成できません。

当院のお客様からも「いい枕はありませんか?」という質問を受けることがあります。

お答えしているのは「あなたに合う良い枕は確かにあります。しかし決して良い枕を探さないでください。」と言うことです。

首の骨が変形していたり、筋肉がこっているから、自分に合う枕があるわけです。

しかしそれでは、首の骨の変形やコリは放置されたままで、筋肉はさらに固くなるでしょう。

首の骨の変形や筋肉のコリが元の状態になり、柔らかくなればどんな枕でも寝れるはずです。

本筋は良い枕を探すことではなく、どんな枕でも眠れるような首を作ることです。

子供たちは首が柔らかいからどんな枕でも、枕なしでもぐっすり眠っています。

 

最後に

様々な眠る方法を述べてきましたが、筋肉の硬直が酷い場合はなかなか一人で緩められなくなってきます。

色々とやってみたけどもなかなか眠れないという方は当院へお見えください。

筋肉の硬直が大分酷くなっているのだと思います。

とりあえずある程度まで、人の手を借りてでも緩めておくべきだと思います。

睡眠薬のイメージですが、母親が飲んでいるのを見て、眠っているというより気絶させられているという感じを受けました。

私にはとてもまともな治療法とは思えません。

睡眠薬に頼りたくないという方は一度ご相談ください。

 

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