「操体法」の開祖、橋本敬三先生が唱えられている、健康にとって大切な息・食・動・想の「動」についての解説です。
「動」とは運動・動作のことです。
特に最近は新型コロナの影響で在宅の仕事になり、より運動量が減って体調を壊す人が増えています。
正しい姿勢
まず正しい運動や動作を行うためには正しい姿勢が必要です。
これができていないと、いくら運動や動作の努力しても逆効果になってしまいかねません。
正しい姿勢をするだけで、筋肉疲労(コリ)を抑制することもできます。
自分が生涯付き合っていく身体ですからできるだけ長い間動かせる状態でいたいです。
また姿勢を良くするだけで体調や体質が改善したり、日常の動作が楽になったりスタイルが良くなったり、集中力が上がるようになります。
まず一番基本的な立姿勢・座り姿勢をしっかり行うようにしましょう。
正しい立姿勢・座り姿勢
「正しい立姿勢」
壁を背にして立ち、かかと、ふくらはぎ、お尻、肩、頭と着けていきます。
(かかとは壁から5㎜~1㎝ぐらい話して大丈夫です)
腰に手の平をあて、手の平1枚ほどの隙間を開けます。
頭は後頭部を付け顎を引くようにします。
この時に胸を張るのではなく、みぞおちを前に出すようにします。
(良く胸を張れと言われますが、胸を張る姿勢は間違いです。ご注意ください)
正しい立姿勢とよくない立姿勢は以下の図を参考にしてみてください。
真ん中の姿勢は反り腰になり、胸を張る姿勢で顎が上がっています。
右側の姿勢は猫背になり背中が曲がっています。
「正しい座り姿勢」
お尻で座るのではなく、しっかり坐骨で座ることが大事です。
腰がそり腰にならないように立ち姿勢と同じようにみぞおちを出す。(自然と顎が引ける姿勢)
正しい姿勢と良くない姿勢は以下を参考にしてみてください。
運動の大切さ
現在は機械化や電気化のおかげで便利な生活が送れるようになり、身体を動かさなくても用事が済むようになりました。
その為昔に比べて極端に活動量が少なくなり、筋肉もあまり使わなくなってしまいました。
筋肉を酷使しなくなった分寿命が延びたというのも一理あるのかもしれません。
しかし筋肉は動かさなければどんどん衰えて弱くなり、そのうち骨まで衰え、関節なども硬くなってきます。
そして動かすと痛い、痛いから動かさないという悪循環に陥ってしまい、どんどん機能が低下してしまいます。
筋肉は私たちの運動や動作を助けているだけではなく、臓器や各器官にも影響を与えています。
筋肉が衰え機能が低下すると血液循環や神経・リンパ管などの流れが悪くなり、病気の発症へと繋がっていくことになってしまいます。
生活習慣病なども食事の影響もありますが、運動不足も大きく影響しています。
強い運動は必要ありませんので、一般的に親しまれている有酸素運動などを行ってみてください。
運動としてはウォーキング・軽いジョギング・自転車・縄跳び・軽い体操・・・など。
筋トレに関しては道具を使うのではなく、自分の身体を使った筋トレで十分です。
適度な運動は骨を丈夫にすることで骨粗鬆症の予防にもなり、筋肉強化にもつながり運動による消費エネルギーが増えるので、余分な体脂肪が減り、肥満の予防・改善にもなります。
また、適度な運動には、高血圧や糖尿病、動脈硬化に対する直接的な予防・改善効果もあります。
とくに血圧、血糖値、中性脂肪やLDL-コレステロールなどの脂質、BMI、腹囲などの健診結果が基準よりも高い場合は、意識して運動を心がけましょう。
日常の中で運動時間を作ろう
1日の中で運動する時間を作ってみましょう。
・自転車で通勤してみる
・1駅手前で下車して歩く
・駅や職場でエレベーターやエスカレーターを使わず階段を利用する
・歩いて買い物に行く
・細目に家事をこなす
・テレビを見ながら筋トレ・ストレッチ
・料理をしながら筋トレ・ストレッチ
一生楽しめる運動・体操を見つけよう
・ゴルフ
・テニス
・ママさんバレー
・卓球
・ボーリング
・太極拳
・合気道
・社交ダンス
・フラダンス
・・・等
・きくち体操
・自彊術
・ヨガ
・ピラティス
・真向法
・・・等
・腕ふり体操
・腕ふりスクワット
・スワイショウ
・ストレッチポール
・・・等
健康のために無理やり行うのではなく、一生楽しめるものをぜひ探してみてください。
動作の大切さ
動作とは生活するうえでの立つ・座る・歩く等の様々な動き方のことです。
オーソドックスな動作を図解で説明していきます。
「正しい椅子からの立ち上がり方」
1,浅く腰掛け足を手前に引いて踵を浮かせます。
2,膝蓋靭帯に手を当て緊張を感じるまで上体を倒します。
3,踵を床に付けながらお尻を持ち上げます。
4,上体を起こして立ち上がります。
※脚の筋肉で立ち上がるのではなく、踵を踏む動作で立ち上がるということです。
正しい歩き方
【間違った歩き方】
下の画像は歩き方の教書みたいなものです。
この歩き方が正しいと思っている方も多いと思いますが、当院ではお勧めしません。
かかと着地になっていますし、着地したときに膝が伸びきってしまっています。
これではひざに負担を与えてしまい、将来の膝痛になってしまいかねません。
【正しい歩き方】
1,かかと着地をしないでつま先着地をする
2,膝を伸ばし切らない(上図は少し伸びてしまっていますが・・・)
3,かかとを付けることで自然に反対の足が上がる
※膝が痛い人などはこの歩き方を数週間行ってみてください。改善する効果あり。
正しい膝の使い方
膝は常につま先と同じ向きでなければなりません。
ニーイン・トウーアウトでもニーアウト・トウ-インでも膝を壊してしまいます。
体を捻る動作の時にニーイン・トウーアウトになる方が圧倒的に多いです。
これも将来の膝痛に繋がってしまいます。
正しい腰の使い方
物を持ち上げる時は腰を落とす
物を持ち上げる時に腰を伸ばさないこと
この場合は重い物だけではなく、軽い物でも同じ動作をすることが大事です
また前屈の時は腰は反ります。
そして後屈する時は腰を丸めます。
※これの逆の動作を行っている人が多いです。
代表的な動作を図解しましたが、このような動作が間違っているために筋肉に緊張が生まれ、ゆくゆく骨格まで歪めてしまっている人が多いのが現状です。
動作には法則があります。
以下の動作の法則をしっかりと身に着けて、日々の動作を行ってください。
・後屈はお尻を前に突き出しながら反る
・左右の捻転は捻転の方に体重をかける
・側倒は曲げる側の反対に体重をかける
・膝は曲げて腰は折る(腰を曲げない)
・座るときは坐骨で座り骨盤を立てる(お尻の筋肉で座らない)
・足は親指側に・手は小指側に力を入れる
・下にある物を拾う時は拾う側の手の反対の足を出す
・重いものを持ち上げるときは腰を落とす(本当は軽いものでも)
・高いものを片手で取る時は手と同じ方向に体重をかける
・歩くときは親指の付け根辺りで蹴る(教科書的には)
・常に丹田(へその下)に20~30%程力を入れておく
・・・・等
この動作を間違って動かしている人が大半です。
余計な筋肉を使うことで疲れやすくもなってしまいます。
それだけならいいのですが、筋肉が硬直して血流や神経・リンパの流れが滞り病体へと導かれてしまうのです。
疲れ知らずで生き生きとしている人がいますが、この身体の使い方がとてもうまい人だと言えるでしょう。
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